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こんばんわ。今日もまた意味深な日記タイトルで始まりましたが、
内容としては普通にtech的な話だったりします。 店長(中西男)です。
巷では涼しくなってきて秋到来か?という感じなのですが、
パソコン業界はまだまだ夏が続いている模様。
メーカーや問屋から新商品の情報がとどきますが、未だに水冷キットの新製品や
水冷を利用したヒートシンク採用のビデオカードなど、冷却商材の話題が絶えません。
本当にハイエンドマシン以外、そんなに冷やす必要ありますか?
という疑問を持ちつつも、自分もかつて大学生の頃、意味もなく冷却していた経験者です。
当時は、3Dベンチマークの先駆けで、FinalRealityなるベンチソフトが主流でした。
その時の最新鋭の3D用アクセラレータでVoodoo2なるビデオカードがありました。
でもって、世界初2枚ざしで運用できるというシロモノでした。
開発していた3Dfxは、現在のnVIDIAに吸収されたかたちになっていますので、
SLiのご先祖様的なものと言えば分かりやすいかもしれません。
で、その当時からオーバークロックというものも流行しており、
かく言う自分も、それに燃えていた時代真っただ中でした。
当時には簡易水冷なるような便利な代物は存在しませんから、
冷却に使用する物品や装置は自分で作ったり用意したりしなければなりません。
真っ先に使ってみたのは『ペルチェ素子』。
シリコン版から電極が生えており、電圧を与えると、両方の板面が相反する温度を
発生するという、奇妙極まりない電子部品。
冷蔵庫の仕組みを分かっている方であれば、「あぁ、あれか」って分かるかと。
自分の使っていたペルチェは、表+80℃ 裏-80℃に達するもので、
CPUとヒートシンクの間に挟めて使用していました。
もちろん、一気にそんな熱交換が一か所で行われるということは、
当然のことながら結露が問題になります。
ですので、ペルチェコントローラーなるものを電子工作で自作して、
安全に運用できるように調整していました。(当時はネットで見ながら作った)
もう1つ体験したのは、液体窒素による冷却。
液体窒素なんぞ、個人で手に入る代物ではないので、某友人の大学の研究室に
お願いして、研究の一環として極限までクロックアップのテスト。
そこで登場するのが、先程お話ししたVoodoo2.
これを、極限まで冷やしてクロックアップしたらどこまで性能アップできるのか?
ということで、実験。
FinalRealityを動かしながら冷却。
途中まではかなり良い調子で、スコアも見たことの無い次元の数値をたたき出し.....
「ピキーン」
という乾いた音。
セラミックが真っ二つになる音でした。
うんうん。冷やし過ぎたわけです。(^^;
と、今の話は15年くらい前の話で、そのころを思い出すと、今の時代の
製品が手元にあったのなら、どんなに面白かったのだろうかと思います。
もしタイムマシーンがあるのであれば、今のパーツを当時の自分に渡して
何をどうするのか、遠くからそっと観察してみるのも面白いかなと思ったり。
ここ15年でパソコン業界もかなり変化しましたが、根本的に変わっていないのは、
ここまでコンピュータが浸透した世の中になりつつも、今だにパソコンが使えないと
いう人が多いということです。
最終的に、パソコンがいくら性能アップしても、人間自身のクリエイティビティが向上
しなければ、後にも先にも進まないのだろうなと思います。
そういう意味でも、今後、色々な講座をやっていきたいなと思っていたりします。